韓国の伝統工芸『ポジャギ』と、包む文化・結ぶ文化について?韓国の伝統工芸『ポジャギ』の世界
韓国の伝統美、繍褓とポジャギの世界へ。婚礼を彩る刺繍の包み物、福を願うポジャギ。韓国の知恵と美意識が詰まった工芸品は、モンドリアンも魅了した芸術性。実用性と精神性を兼ね備え、現代にも息づく。日本との比較を通して、その奥深さを紐解きます。
💡 ポジャギは、韓国の伝統的なパッチワークの布で、様々な用途に使われてきた。実用品としての役割だけでなく、祈福信仰や美的鑑賞の目的も持っていた。
💡 韓国の包む文化と日本の結ぶ文化を比較し、その背景にある文化的な違いを考察する。ポジャギと風呂敷の比較も行う。
💡 韓国の伝統工芸「ポジャギ」の世界を深掘りし、関連するイベント情報も紹介する。
さて、本日は韓国の伝統工芸「ポジャギ」を中心とした、包む文化と結ぶ文化の違いなどについて、詳しく見ていきましょう。
繍褓:韓国の伝統的な包み物
韓国の伝統的な包み物「繍褓」は何を象徴している?
福と多産
韓国の伝統文化は奥深いですね。
特に、繍褓は女性たちの手仕事から生まれた、美しくも力強い文化遺産という印象を受けました。

✅ 江陵端午祭は、韓国の4大名節の一つである端午の節句を祝う伝統行事であり、ユネスコ無形文化遺産に登録されている韓国を代表する祭りです。
✅ 祭りは、伝統的な民俗遊び、体験型イベント、伝統公演など様々なプログラムが用意されており、参加者は伝統文化を体験することができます。
✅ 特に、江陵端午祭でしか見られない「官奴(クァンノ)仮面劇」は、身振りや音楽のみで展開される伝統的な劇であり、コミカルなストーリーと個性的な仮面で観客を楽しませます。
さらに読む ⇒韓国旅行「ソウルナビ」出典/画像元: https://www.seoulnavi.com/special/5041496繍褓は、婚礼などの吉事に用いられる包み物。
瑞鳥や蝶などの刺繍が施され、福楽祈願の意味が込められています。
高麗末期に作られたものが現存する最古のものとされ、現代でもデザインが高く評価されています。
繍褓は、韓国の伝統的な包み物で、婚礼など吉事に使用されます。
木や花、鶴、孔雀などの瑞鳥や蝶などが刺繍され、福楽祈願の意味が込められています。
木は韓国において神聖視された自然物であり、福を象徴する花は多産、特に多くの男の子を産むことを象徴します。
繍褓は、江陵を中心とした関東地方で生まれたとされ、現存する最古のものは高麗末期に作られたとされています。
繍褓は、女性たちが自分の部屋で創造性を発揮して作り出した文化遺産であり、勤倹節約精神を象徴しています。
貴重な布を再利用し、一つ一つ繋ぎ合わせて作ったことから、多くの人の手を経て長い時間をかけて作られてきました。
デザインや技法が洗練され、鑑賞に堪えうる工芸品として現代に伝えられています。
繍褓は、実用だけでなく、祈福信仰的な要素や鑑賞の目的も持っていました。
「袱子器」と表記されていた時代があり、「袱」と「福」が同じ音であることから、福を招くものと考えられていました。
心を込めて作ることを誠をささげる行為としてとらえ、福招きの媒体になると信じられていました。
現代でも、繍褓のデザインや配色、構成は、抽象画家のモンドリアンやクレ−の作品と比較されるほど評価されています。
韓国刺繍博物館では、19世紀頃の繍褓を中心に、16世紀頃の作品も見ることができ、貴重な文化遺産として保存されています。
繍褓の作り方には様々なパターンがありますが、小さな布を四角形に結合させた市松模様や、二等辺三角形の布を組み合わせたパターンなどが一般的です。
配色によって様々な視覚的な効果を生み出します。
繍褓の歴史的背景や、込められた意味を知ることができて、とても興味深かったです。女性たちが手仕事を通して文化を育んできたという点に感銘を受けました。
ポジャギ:韓国のパッチワーク文化
ポジャギは何に使われてきた伝統工芸品?
パッチワーク布
ポジャギは、インテリアとしても活用できるんですね。
透け感を楽しんだり、間仕切りにしたりと、色々な使い方ができるのが魅力的です。
公開日:2022/10/02

✅ ポジャギは、カーテン、間仕切り、タペストリーとしてインテリアに活用できます。
✅ カーテンとして使う場合、透け感を楽しむことができ、風になびく姿が美しく、お部屋に優しい印象を与えます。
✅ 間仕切りとして使う場合は、部屋のゾーニングに役立ち、空間のメリハリをつけることができます。また、タペストリーとして飾る場合は、他のインテリアアイテムと組み合わせることで、ポジャギの魅力をより引き出すことができます。
さらに読む ⇒ホームアールイー出典/画像元: https://r-e.jp/ic0215-life-with-bojagi/ポジャギには様々な種類があり、用途によって使い分けられています。
ハギレを繋ぎ合わせた「チョガッポ」は、庶民の知恵から生まれた工芸品であり、現代でも高い芸術性を持っています。
ポジャギは、韓国の伝統的なパッチワークの布で、様々な用途に使われてきました。
高麗時代から存在し、朝鮮時代に盛んに作られました。
用途や素材によって、食事用の「サンボ」、服用の「オッポ」、寝具用の「イブルポ」、宮廷で使われた豪華な「宮褓」、庶民が使った「民褓」など、多様な種類があります。
中でも、「チョガッポ」は、ハギレを繋ぎ合わせた庶民の知恵から生まれた工芸品です。
自由なパターンと高い芸術性を持つことから、モンドリアンやクレーの作品と比較されるほど高く評価されています。
ポジャギは、単なる実用品としてだけでなく、祈福信仰や美的鑑賞の目的もありました。
その幾何学的な模様や色彩の組み合わせは、現代においても高い芸術性を持ち、芸術作品としても注目されています。
ポジャギは、韓国の伝統文化と庶民の生活の知恵が融合した、美しく力強い工芸品です。
ポジャギが、ただの実用品ではなく、祈福信仰や美的鑑賞の目的も持っていたというのは、初めて知りました。見た目の美しさだけでなく、込められた意味を知ると、さらに興味が湧きますね。
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