『蜘蛛の糸』- 芥川龍之介の短編小説が教える教訓とは?地獄から救いの糸、カンダタの運命
地獄から極楽へ、たった一本の蜘蛛の糸。芥川龍之介『蜘蛛の糸』は、救済を願う盗賊カンダタの物語。過去の善行により与えられたチャンス。しかし、傲慢と利己心は彼を奈落へ突き落とす。人間の業、自己中心的な振る舞い、そして真の救いとは何かを問う、仏教的寓話。あなたの心に響く、深い教訓がここに。
💡 地獄に落ちたカンダタが、過去の善行により蜘蛛の糸で救済のチャンスを得る。
💡 カンダタが我欲から糸を独占しようとし、結果的に地獄へ逆戻りする顛末。
💡 自己中心的な行動は救済を阻み、他者への思いやりが重要であるという教訓。
それでは、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を通して、人間の心理や教訓について深く掘り下げていきましょう。
地獄からの希望
カンダタを救済したきっかけは?
蜘蛛の命を救った善行
芥川龍之介の短編小説『蜘蛛の糸』は、地獄に落ちた大泥棒カンダタを主人公に、救済と人間のエゴイズムを描いています。
物語は、カンダタが過去の善行によって救いの糸を与えられるところから始まります。
公開日:2024/12/15

✅ 芥川龍之介の短編小説「蜘蛛の糸」は、地獄に落ちたカンダタが過去の善行をきっかけに救済の糸を与えられるものの、利己的な行動によりその糸が切れ、再び地獄に落ちる物語。
✅ 物語は、仏教の教えに基づき、善行の重要性と、救済には利他心が不可欠であることを示唆。釈迦はカンダタの小さな善行を見逃さず、救いのチャンスを与えたが、カンダタの利己心が試練を招いた。
✅ 作品は、人間性の二面性(利己心と利他心)を描き、現代社会にも通じる教訓を提供。読者に、自己中心的行動が救済の可能性を阻害すること、そして他者を思いやる心の重要性を問いかけている。
さらに読む ⇒物語の知恵袋出典/画像元: https://wittale.com/2024/12/15/%E8%9C%98%E8%9B%9B%E3%81%AE%E7%B3%B8%E3%81%AE%E3%81%82%E3%82%89%E3%81%99%E3%81%98%E3%82%92%E5%BE%B9%E5%BA%95%E8%A7%A3%E8%AA%AC%EF%BC%9A%E4%BB%8F%E6%95%99%E7%9A%84%E6%95%99%E8%A8%93%E3%81%A8%E7%8F%BE/釈迦の慈悲深さと、カンダタの小さな善行を見逃さない描写が印象的ですね。
救いのチャンスを与えながらも、人間の本質的な弱さも描き出している点が興味深いです。
物語は、地獄で苦しむ大泥棒カンダタから始まります。
彼は過去の悪行の報いを受け、絶望の中で生きていました。
しかし、そんなカンダタに、過去のわずかな善行がきっかけとなり、釈迦は救済のチャンスを与えます。
それは、カンダタがかつて小さな蜘蛛の命を救ったという、取るに足らない行為でした。
その功績により、お釈迦様は蜘蛛の糸を垂らし、カンダタを極楽へと導こうとします。
カンダタが救われるきっかけとなった過去の善行が、小さな命を救ったことだったというのが、とても示唆深いですね。日々の些細な行いが、将来に影響を与えるという点が、自己成長を考える上で大切だと感じました。
蜘蛛の糸と試練
カンダタを堕落させた感情とは?
傲慢さ、独占欲
物語は、カンダタが蜘蛛の糸を登るシーンへと進みます。
まさに希望の象徴である糸を頼りに、彼は地獄からの脱出を図ります。
しかし、その過程でカンダタは、ある試練に直面することになります。

✅ 芥川龍之介の『蜘蛛の糸』は、カンダタが地獄から救済されるために蜘蛛の糸を垂らされるも、我欲からその糸を独占しようとした結果、再び地獄に落ちる物語。
✅ 物語の教訓は、自己中心的で傲慢な態度は慎むべきであるというものだが、大人になって読むと、お釈迦様の行動に対する違和感や、もしもの場合の展開について考察が加えられている。
✅ 筆者は、カンダタが地獄に落ちたのは、お釈迦様の道楽だったのではないかと推測し、極楽と地獄の対比が印象的だったと述べている。
さらに読む ⇒comobooks出典/画像元: https://www.comobooks.net/kumonoito/カンダタが糸を登るにつれて、他の罪人たちが現れる描写は、人間の業の深さを象徴しているようですね。
自分のことしか考えられなくなるカンダタの姿は、自己中心的行動の恐ろしさを感じさせます。
蜘蛛の糸は、絶望の淵にいたカンダタにとって、まさに希望の象徴でした。
彼は必死に糸を登り始めます。
しかし、カンダタが登り始めると、まるで蟻の行列のように、大勢の罪人たちが糸を伝って登ってくることに気づきます。
この瞬間、カンダタは救済の道を阻むある感情に囚われてしまいます。
彼は、これまで自分が犯してきた悪行を忘れ、傲慢にも「この糸は俺のものだ!」と叫び、自分の利益だけを優先しようとしました。
私も、もし同じ状況になったら、自分のことだけを考えてしまうかもしれません。救われるべきだと傲慢になったカンダタの気持ちは、理解できる部分もあります。人間の弱さ、脆さが描かれていて考えさせられますね。
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自己中心的なカンダタ。蜘蛛の糸は彼の利己心に耐えられず…。芥川龍之介『蜘蛛の糸』は、人間のエゴと救済を描く仏教寓話。心を改め、他者を思いやる大切さを説く。