大学入試『女子枠』導入の現状と課題?〜多様性を目指す大学の取り組みとは?〜理工系進学の促進と、大学入試における新たな動き
大学入試に広がる「女子枠」! 理工系分野のジェンダーギャップ解消を目指し、多くの大学が導入。文科省の後押しや社会的なニーズを受け、女子学生比率向上に貢献。しかし、公平性や社会的な抵抗も課題。多様な価値観の集まりを促進し、大学の多様性を高める一手として期待される。京大の事例も交え、その効果と課題を詳細に分析します。
💡 女子枠は理工系学部を中心に導入され、女子学生の割合増加を目的としています。
💡 文部科学省の提言や、企業からの女性理工系人材の需要増が背景にあります。
💡 多様性の確保、イノベーション創出を目指し、多くの大学で導入が拡大しています。
本記事では、大学入試における「女子枠」の導入とその背景、目的、効果、そして課題について詳しく解説していきます。
女子枠導入の背景と現状
大学入試の「女子枠」急増!その目的は?
理工系の女子学生を増やすため。
大学入試における女子枠の導入は、理工系学部を中心に急速に進んでいます。
その背景には、文部科学省の後押しと、女性理工系人材の育成への期待があります。
公開日:2024/11/11

✅ 大学入試における女子枠は、理工系学部を中心に女子学生の割合を増やす目的で導入されており、文部科学省の提言や企業からの女性理工系人材の需要増が背景にある。
✅ 理工系学部への女子進学者は依然として少ない状況であり、女子枠は大学だけでなく奨学金制度などでも支援されている。
✅ 女子枠は、芝浦工業大学による本格的な導入を皮切りに、2022年度以降に導入する大学が急増しており、今後も拡大が見込まれる。
さらに読む ⇒逆引き大学辞典WEB出典/画像元: https://www.gyakubiki.net/readings/exam/5387/女子枠の導入は、理工系の分野において女子学生の割合を増やす目的で進められていますね。
大学だけでなく、奨学金制度などでも支援されている点が注目です。
近年、大学入試における「女子枠」の導入が急速に進んでいます。
特に工学部や理学部などの理工系学部でその傾向は顕著であり、文部科学省もこの動きを後押ししています。
女子枠は、特定の学部や学科で女子学生の入学を促進するために設けられた特別な募集枠で、一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜など、様々な入試方法で導入されています。
なるほど、大学入試における女子枠導入の流れが加速しているんですね。女子学生の割合が増えることで、研究や学びの場がより多様性豊かになりそうですね。
女子枠導入の目的と効果
なぜ多くの大学が「女子枠」を導入?その狙いは?
多様性の向上、ジェンダーギャップ解消、社会的ニーズ。
大分大学が2024年度入試から、理工学部で学校推薦型選抜の女子枠を新設します。
多様性の確保とイノベーション創出を目指す取り組みですね。

✅ 大分大学は、2024年度入試から理工学部で女子枠(学校推薦型選抜)を新設し、理工系分野での活躍を目指す女子生徒を募集する。
✅ 募集人数は、大学入学共通テストを課さない選抜で11人、課す選抜で2人。一般推薦との併願も可能。
✅ 理工学部における女子生徒の割合が低い現状を踏まえ、多様性の確保とイノベーション創出を目指す取り組みである。
さらに読む ⇒ニュースイッチ by 日刊工業新聞社出典/画像元: https://newswitch.jp/p/37200大分大学の取り組みは、女子学生比率の低い現状を変えようとする、素晴らしい試みですね。
広報活動や入学後のサポート体制も整えられています。
女子枠導入の背景には、理工系分野における女子学生の割合の低さ、産業界での男女共同参画の推進といった課題が存在します。
教育社会学者の小林元気准教授は、理工系学部の女子学生比率の低さ、難関大学への女子学生の志願しづらさ、浪人選択の難しさといった現状を指摘しています。
また、国立大学における推薦・AO入試での女子枠増加の背景には、文科省による「多様な背景を持った者を対象とする選抜」の推進や、過去の九州大学の事例の影響、政府の「ウーマノミクス」政策による女性の理工系人材育成への期待など、政策的な後押しがあります。
山田進太郎D&I財団の調査では、2023年度以降に「女子枠」を導入している大学が9割弱に上り、導入の背景として社会的ニーズ、教育・研究環境の多様性向上、ジェンダーギャップ解消が挙げられています。
多くの大学で定員と同数または上回る応募があり、女子学生比率の向上に一定の効果が見られています。
大分大学の事例では、広報活動やハード面の整備、入学後のサポートなどが実施されており、肯定的な評価を得ています。
女子枠導入の背景には、理工系分野の多様性確保という重要な目的があるのですね。大学の積極的な取り組みは、社会全体の意識改革にも繋がると思います。
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女子枠設置は、多様性・経済再生のカギ。京大の課題解決にも。しかし、公平性や社会的反発も。大学改革と女性活躍、その効果と課題を探る。