巨匠ピカソの生涯と多様な作風とは?ピカソの芸術遍歴:青の時代から晩年まで
20世紀を代表する巨匠、パブロ・ピカソ。その作品は、初期の『青の時代』からキュビスムを経て、晩年の陶芸作品まで、変遷を重ねながら、常に革新を続けた。孤独、幸福、戦争の悲劇…多様なテーマを多彩な技法で表現し、約15万点もの作品を遺した。情熱と才能が凝縮されたピカソの世界は、アートの本質を問いかけ、私たちを魅了し続ける。
💡 ピカソは、絵画、彫刻、版画など多岐にわたる分野で活躍し、約15万点もの作品を制作しました。
💡 作風は時代とともに大きく変化し、青の時代、バラ色の時代、キュビスムの時代など変遷を辿りました。
💡 晩年には陶芸にも挑戦し、絵画とは異なる表現を見せました。
ピカソの作品は、時代と共に様々な様式へと変化していきました。
本日は、ピカソの代表作と、その背景にある出来事や心情について紐解いていきます。
20世紀を彩る巨匠、ピカソの生い立ちと多様な作風
20世紀最大の画家、ピカソの作品数は?
約15万点もの作品を制作
ピカソの初期の作風は、親友の死をきっかけとした「青の時代」から始まりました。
暗い色使いで、社会の底辺に生きる人々の姿を描いた作品が特徴です。

✅ ピカソの「青の時代」は、親友カサジェマスの死をきっかけに、青を基調とした暗い色使いで、社会の底辺に生きる人々を描いた時期を指す。
✅ 「青の時代」の始まりには、ピカソ、カサジェマス、ジェルメールの複雑な三角関係があり、カサジェマスの自殺はピカソに深い罪悪感と鬱を引き起こした。
✅ 代表作には、カサジェマスの死を悼む「招魂(カサジェマスの埋葬)」や、人生を描いた「人生(La Vie)」があり、ピカソの心情を反映している。
さらに読む ⇒画家 佐藤功出典/画像元: https://isaosato.net/blue_period/ピカソの「青の時代」は、深い悲しみと孤独感から生まれたのですね。
カサジェマスの死が、彼の作品に大きな影響を与えたことがよく分かります。
20世紀最大の画家と称されるパブロ・ピカソは、スペイン出身の芸術家です。
その本名は非常に長く、洗礼名や縁者の名前を組み合わせたものでした。
ピカソは絵画、彫刻、版画、陶芸、舞台芸術、詩など多岐にわたる分野で活躍し、約15万点もの作品を制作しました。
彼の作風は時代とともに大きく変化し、その変遷は大きく分けて「青の時代」(1901-1904)、「バラ色の時代」(1904-1906)、「アフリカ彫刻の時代」(1907-1909)、「キュビスムの時代」(1909-1919)、「新古典主義の時代」(1917-1925)、「シュルレアリスムの時代」(1925-1936)、そして後期作品へと整理できます。
ピカソの人生と作品が密接に結びついていることが、興味深いですね。それぞれの時代背景を知ることで、作品の見方が変わりそうです。
初期の苦悩と喜び、そして新たな表現の模索
ピカソの初期、青の時代は何を描いた?
孤独や貧困を、青色で表現。
「青の時代」を経て、ピカソは明るい色彩を用いた「バラ色の時代」へと移ります。
幸福感や希望を表現した作品が多く制作されました。
公開日:2023/11/13

✅ パブロ・ピカソの作品『老いたギター弾き』は、バルセロナの路上でギターを弾く盲目の老人の姿を描いた青を基調とした絵画で、ピカソの「青の時代」を象徴する作品である。
✅ ピカソの貧困、親友の自殺、エル・グレコなどの影響を受け、老人の姿を通して人間の悲しみや孤独を表現しており、ギターは絶望の中の希望を象徴している。
✅ 近年の調査で、老人の背後に他の人物像が隠されていたことが判明し、ピカソがこの絵を描く以前に構想していたことが明らかになったが、なぜ変更されたのかなど不明な点も残されている。
さらに読む ⇒Artpedia アートペディア出典/画像元: https://www.artpedia.asia/work-the-old-guitarist/「老いたギター弾き」は、青の時代を代表する作品でありながら、背後に別の人物像が隠されていた可能性があるとは、驚きです。
ピカソの初期の作風は、親友の死や自身の鬱の影響を受けた「青の時代」に始まりました。
この時期には、青を基調とした暗い色彩で、孤独や貧困をテーマにした作品が多く描かれました。
代表作には「老いたギター弾き」などがあります。
その後、恋人を得て精神的に安定すると、明るい色彩を用いた「バラ色の時代」を迎えます。
この時代には、サーカス団員などをモチーフにした作品が多く制作され、幸福感や希望が表現されました。
「サルタンバンクの一家」や「パイプを持つ少年」などがその代表例です。
初期の作品から、晩年の陶芸作品まで、様々な表現方法に挑戦していることに感銘を受けました。表現方法を変えることで、見えてくる世界があるのでしょうね。
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キュビスムから晩年の陶芸まで、ピカソの飽くなき挑戦と情熱!『ゲルニカ』誕生秘話や、平和を願う陶器作品も。15万点超の作品が語る、アートの真髄と挑戦の重要性。