自閉スペクトラム症（ASD）の行動理解と支援：氷山モデルとABC分析で行動障害を理解する？強度行動障害への理解を深める：氷山モデルとABC分析

今回の記事では、自閉スペクトラム症（ASD）の方々を理解し、より良い支援をするための知識を深めていきます。

この後のチャプターでは、氷山モデルやABC分析について詳しく解説していきましょう。

氷山の下に隠されたもの：強度行動障害と自閉スペクトラム症の理解

自閉スペクトラム症（ASD）の行動を理解するための基礎知識として、氷山モデルが紹介されています。

行動の背後にある特性や環境要因を理解し、個別の支援につなげることが重要です。

TEACCHの氷山モデルは、自閉症版の行動分析学？

公開日:2023/10/02

✅ 佐賀それいゆでのコンサルテーションと研修会で、著者は氷山モデルを用いて自閉症の方の行動の理解と支援方法の計画を行った。

✅ 氷山モデルは、自閉症の人の行動を海面上の氷山に例え、表面的な行動だけでなく、その背後にある特性、環境、経験といった要因を考慮するもので、行動分析学とも類似性がある。

✅ ABC研究所では、TEACCHとABAを組み合わせたABCモデルに基づく支援について解説するセミナーを開催している。

さらに読む ⇒自閉症　応用行動分析　発達障害　自閉症スペクトラム　ABA出典/画像元: https://www.abclab15.com/single-post/teacch%E3%81%AE%E6%B0%B7%E5%B1%B1%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%E3%81%AF%E3%80%81%E8%87%AA%E9%96%89%E7%97%87%E7%89%88%E3%81%AE%E8%A1%8C%E5%8B%95%E5%88%86%E6%9E%90%E5%AD%A6%EF%BC%9F?srsltid=AfmBOoq_uUw77lmMbgEO6W8McRzv2N75DZorLUTf_MAPxWjjPW2QJtkA

氷山モデルは、行動の表面だけでなく、その原因となっている特性や環境要因に目を向けるという点が、非常に重要だと感じました。

表面的な行動だけを見てしまうと、本質を見誤ってしまう可能性がありますからね。

自閉スペクトラム症（ASD）を持つ人々は、個性豊かな特性を持ち、様々な困難に直面することがあります。

強度行動障害とは、噛みつきや自傷行為など、周囲に影響を及ぼす行動が特徴です。

これらの行動の背後には、本人の特性、環境、状況とのミスマッチが隠されています。

その理解を深めるために役立つのが、氷山モデルです。

氷山モデルは、水面下の原因に注目することで、表面的な行動だけでは見えない本質を捉えようとします。

具体的には、見えないものへの理解の難しさ、抽象的な言葉の理解の難しさ、感覚過敏、こだわりなど、ASDの特性が、不安や緊張を生み出し、問題行動を引き起こす可能性があります。

氷山モデルは、ASDの特性と環境要因を分析し、視覚的な情報提供や具体的な指示、終了時間の提示といった個別ニーズに合わせた支援策を立てるための重要なツールです。

このモデルは、元々TEACCHプログラムで紹介され、自閉症児の行動を親が理解するための比喩として用いられましたが、我が国の強度行動障害支援においてはアセスメントツールとしても利用されています。

わかりやすく解説していただき、ありがとうございます。氷山モデルは、子どもの行動を理解する上でとても役立ちそうですね。色々な角度から、原因を探る事が大切だと思いました。

原因の特定と予防：記録、アセスメント、そしてABC分析

ABA（応用行動分析学）の視点から、行動の分析と改善について解説されています。

ABC分析を用いて、行動のきっかけ、行動、結果を分析し、適切な対応を行うことが重要です。

ABA（応用行動分析学）とは

公開日:2024/09/08

✅ ABA（応用行動分析学）は、人間の行動が環境との相互作用によって形成されるという考えに基づき、良い行動を増やし、望ましくない行動を減らすことを目指す手法です。

✅ ABAでは、ABC分析（先行事象、行動、結果）を用いて行動を分析し、強化（良い結果で行動を増やす）、弱化（望ましくない結果で行動を減らす）、消去（良い結果が得られないことで行動を減らす）といった手法を用います。

✅ 職場でABAを活用する際は、本人のニーズを捉え、環境にアプローチし、正の強化の機会を増やすことが重要です。

さらに読む ⇒株式会社Kaien - 企業向けサービス出典/画像元: https://biz.kaien-lab.com/know-how/aba/

ABC分析は、具体的で実践的な手法ですね。

問題行動の原因を特定し、効果的な対応策を立てるために、非常に役立ちそうです。

職場での活用例も参考になります。

強度行動障害の原因は、本人の特性からくる苦手さ、不安や緊張、誤学習など多岐にわたります。

適切な行動を学ぶ機会がない場合や、誤った対応が繰り返されることで、問題行動が悪化することがあります。

そこで重要となるのが、効果的な記録とアセスメントです。

記録の目的は、支援の統一とやる気アップです。

スキャッタープロットは行動問題の起きやすい時間や場面を把握し、ABC記録は行動のきっかけ（A）、行動（B）、結果（C）を分析することで、行動の機能を理解します。

また、睡眠や食事などの生活基盤の情報や、機嫌などの印象記録も長期的に見ると傾向が把握できるため重要です。

アセスメントは問題を解釈し、支援課題を抽出するために行われます。

成育歴、好み、認知・発達レベル、障害特性、適応レベルを把握し、TTAPやPEPなどの検査も役立ちます。

行動問題のメカニズムを理解するためには、氷山モデルとABC分析／機能分析が有効です。

ABC分析は、行動の機能（目的や理由）を推測します。

行動分析学と聞くと少し難しく感じましたが、ABC分析はわかりやすく、すぐに実践できそうですね。職場で、どのように活かせるか検討してみます。