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校歌は時代を映す鏡?~須田珠生氏の『校歌の誕生』から読み解く校歌の歴史と意義とは?校歌誕生の歴史と、学校文化における役割

校歌は、単なる歌以上の存在!明治から昭和初期にかけて、校歌がどのように誕生し、学校のアイデンティティを確立していったのか?『校歌の誕生』は、文部省の政策、郷土教育運動、そして地域社会との関わりを通して、その秘密を解き明かします。知られざる校歌の歴史を紐解き、現代に通じる意味を探る、知的興奮に満ちた一冊。

校歌は時代を映す鏡?~須田珠生氏の『校歌の誕生』から読み解く校歌の歴史と意義とは?校歌誕生の歴史と、学校文化における役割

📘 この記事で分かる事!

💡 校歌は、学校の歴史や文化を象徴する歌であり、教育現場で重要な役割を果たしている。

💡 校歌は時代背景を反映し、歌詞や旋律にその時代の社会状況や国民意識が表れている。

💡 校歌は、学校の独自性や地域社会との繋がりを築き、共同体意識を育む上で重要な要素となっている。

校歌の歴史的背景、学校における役割、そして未来について、深く掘り下げていきましょう。

校歌誕生の歴史的背景

日本の校歌はいつどのように生まれた?

明治時代、文部省主導で

校歌の誕生背景を理解することは、日本の教育と社会の変化を読み解く上で重要です。

書評)『校歌の誕生』須田珠生〈著〉『音楽文化戦時・戦後』河口道朗〈著〉:朝日新聞

公開日:2020/05/23

書評)『校歌の誕生』須田珠生〈著〉『音楽文化戦時・戦後』河口道朗〈著〉:朝日新聞

✅ 戦前・戦後の著名な音楽家による校歌作曲は、国民の情感に訴え、国家への動員を促す側面があった。

✅ 須田珠生氏の『校歌の誕生』と河口道朗氏の『音楽文化 戦時・戦後』は、当時の校歌の制作背景とその影響について考察している。

✅ 校歌は教育機関における音楽教育において重要な役割を果たし、時代背景を反映した歌詞や旋律は、当時の社会状況や国民意識を理解する上で貴重な資料となる。

さらに読む ⇒朝日新聞デジタル:朝日新聞社のニュースサイト出典/画像元: https://www.asahi.com/articles/DA3S14486334.html

戦前、戦後の校歌作曲の背景には、国民を鼓舞し、国家への協力を促す意図があったことがわかります。

須田氏と河口氏の研究は、当時の社会と校歌の関係性を丁寧に紐解いています。

本書『校歌の誕生』(人文書院)は、日本の文化における校歌の誕生と普及過程を歴史的に検証した学術書です。

著者は、校歌の歴史研究の少なさに着目し、明治時代から戦前までの校歌誕生とその普及過程を詳細に分析しています。

本書では、文部省による唱歌認可制度、各学校における校歌作成の意図、校歌と郷土教育運動との関わり、文部省による唱歌への規制と校歌の扱いなど、史料に基づいた解説がなされており、校歌が当時の社会状況や文部省の政策、郷土教育運動などの影響を強く受けていたことが明らかになります。

特に、現代では当たり前となっている「一校一校歌」体制が確立されるまでの過程や、校歌の歌詞に学校周辺環境や校訓が取り入れられるようになった経緯なども詳しく分析されています。

校歌が時代を映す鏡というのは面白いですね。教育を通して社会がどのように形成されていったのか、興味深いです。

校歌誕生と学校独自性の確立

校歌はいつから独自性を持ち始めた?

大正期以降

学校が校歌を通じて、どのように独自のアイデンティティを確立していったのかがわかります。

なぜ学校には校歌があるの?須田珠生さん「校歌の誕生」インタビュー

公開日:2020/09/30

なぜ学校には校歌があるの?須田珠生さん「校歌の誕生」インタビュー

✅ 須田珠生さんは、明治期から戦前までの校歌の起源と歴史的展開を研究し、校歌が学校の独自性を打ち出す手段として発展してきたことを明らかにしました。

✅ 明治期には、多くの学校が共通の唱歌を校歌としていましたが、大正期以降は地域の特徴や校訓を盛り込んだ独自の校歌が作られるようになり、学校としてのアイデンティティを確立する役割を果たしました。

✅ 須田さんは、校歌が近代の共同体意識形成に貢献してきたと指摘し、今後も社歌や寮歌、海外の校歌事情についても研究を続けたいと考えています。

さらに読む ⇒好書好日|出典/画像元: https://book.asahi.com/article/13755509

大正期以降に地域性や校訓を取り入れた校歌が誕生したことで、学校は個性と独自性を打ち出せるようになった。

これは、現代の学校にも繋がる重要な変化ですね。

須田珠生さんの著書『校歌の誕生』は、明治から昭和初期にかけての校歌誕生と変遷を研究したものです。

須田さんは、法律で定められていないにも関わらず、学校に校歌が存在する理由に興味を持ち、特に大正末期以降に全国の学校から東京音楽学校(現・東京芸術大学音楽学部)へ寄せられた校歌作成依頼状に着目しました。

須田さんの研究では、明治期には複数の学校が同じ歌を校歌としていたことに対し、大正期になると、地域や校訓を反映した独自の校歌が誕生し、学校独自のアイデンティティを確立する役割を果たしたことが明らかになっています。

学校のアイデンティティを確立する上で、校歌が果たした役割は大きいですね。昔の校歌と今の校歌の違いにも興味があります。

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校歌は単なる歌じゃない!昭和初期、郷土愛を育んだ校歌の誕生秘話。学校と地域の絆、歴史と文化を読み解く、目からウロコの文化論。