日本の理数教育の現状と課題:未来を担う人材育成への道は?理数教育におけるジェンダーギャップ、学力調査の結果、そして未来への展望
TIMSS2023で日本の理数系学力は世界トップレベルを維持!しかし、女子の理数離れや興味関心の低下が課題に。授業改善、ICT活用、STEAM教育で、理数への苦手意識を克服し、ジェンダーギャップを解消せよ!現実世界と繋がる学びで、未来を担う理数系人材を育成しよう!
💡 日本の理数教育は、国際的に高い水準を維持している一方で、理数離れやジェンダーギャップといった課題も抱えています。
💡 TIMSSやPISAなどの国際的な学力調査の結果から、日本の生徒の強みと弱みを客観的に把握し、教育現場の改善に役立てています。
💡 STEAM教育の推進や、現実世界との繋がりを意識した学びを通して、理数教育の新たな可能性を探求しています。
日本の理数教育を取り巻く現状について、様々な角度から掘り下げていきましょう。
まずは、具体的なデータと課題をまとめたオープニングからスタートです。
日本の理数教育における現状と課題
日本の理数教育、課題は?
女子の意欲低下
本章では、日本の理数教育におけるジェンダーギャップの現状と、その原因、そしてそれを解消するための取り組みについて解説します。
公開日:2023/12/18

✅ 日本では、理工系分野の重要性が増しているにも関わらず、理工系学生の割合、特に女性の割合が低いという問題があります。
✅ 理工系分野におけるジェンダー・ギャップの原因は、伝統的な「男性脳・女性脳」という性差のイメージや、教育環境の不足によるものが大きいとされています。
✅ ジェンダー・ギャップ解消のため、女性が理工系分野に進むためのキャリアパス支援や、女子中高生向けのプログラムなど、様々な取り組みが行われています。
さらに読む ⇒女性は理系に弱い?専攻分野のジェンダー・ギャップを解消するためには出典/画像元: https://sdgs.media/blog/16053/ジェンダーギャップの課題について、様々な取り組みが行われていることは素晴らしいですね。
しかし、まだ課題は多く、継続的な支援が必要だと感じました。
TIMSS2023の結果は、日本の小中学生が算数・数学、理科で世界トップレベルを維持した一方で、理数への興味関心が低く、特に女子生徒の理数への苦手意識や理系職業への意欲低下の課題が浮き彫りになりました。
理数教育では、学習意識の違いに着目した授業改善やICT活用など質向上に向けた取り組みが求められています。
TIMSS 2023年の調査結果によると、日本の小中学生ともに、算数・数学、理科の平均得点、関心・意欲ともに男子の方が有意に高いことが明らかになりました。
特に中学校では、男子の方が数学や理科を学ぶことが楽しいと感じ、将来これらの分野を学ぶ職業に就きたいと考える割合も高くなっています。
このジェンダーギャップは、中学校入学以降に顕著になる傾向があり、横山教授は、早期からの取り組みが必要だと主張しています。
中学校では、内容が高度化するため、男女問わず苦手意識を持つ生徒が増えやすい時期であり、学習指導要領の見直しや、授業を分かりやすく、面白いものにする取り組みが必要だと指摘しています。
また、大学や企業においても、ダイバーシティとインクルージョンを推進し、社会全体の意識改革を進めることで、理数分野におけるジェンダーギャップを解消していくことが重要であると述べています。
ジェンダーギャップの問題は、本当に根深いですね。早期からの取り組みが必要とのことですが、具体的にどのようなアクションが効果的なのか、もっと詳しく知りたいです。
理数系教科の好き嫌いと文理選択の関係性
理系選択は、男女でどんな違いがある?
男子は5割、女子は3割
本章では、教科の好き嫌いと文理選択の関係性について、調査結果をもとに解説します。
高校生の選択に大きな影響を与えている要素とは。

✅ 今回の調査では、文理選択の理由、苦手・好きな教科とその理由、学部・学問の系統を決めた理由について、高校生・浪人生・大学1〜2年生計5150人を対象に調査が行われました。
✅ 結果、文理選択においては、文系は理系よりも苦手意識を理由に選択している割合が高く、特に文系は理系の勉強が苦手な人が多く、理系は文系の勉強が苦手な人が少ないという結果となりました。
✅ また、苦手・好きな教科については、英語・国語・社会・数学において、小中学生時代に苦手意識を持つ人が多く、高校入学後に苦手になる割合も高いことが分かりました。一方、得意・好きな教科は、7~8割の人が小中学生時代に自覚しており、理系科目では高校1年生で得意・好きになる割合が高く、特に数学は自発的な学習によって得意・好きになる傾向があることが分かりました。
さらに読む ⇒教育ニュース教育分野における最新ニュース発信出典/画像元: https://ict-enews.net/2023/12/21studyplus-7/文理選択の背景には、教科の好き嫌いが大きく影響していることがよく分かります。
特に、理系科目の苦手意識を克服することが重要ですね。
高校生の文理選択の実態では、理系選択は男子で5割前後、女子で3割弱と、9年間ほとんど変化はありませんでした。
小学4年生から高校3年生までの文理選択を見ると、女子は3割前後で理系を選択し、男子は学年に上がるにつれて理系選択が減るものの、依然として5割程度でした。
しかし、小学4年生で理系と答えた子どものうち、高校3年生で文系に変わった割合は32.8%と、文系から理系への変更よりも多いことがわかりました。
教科の好き嫌いにおいて、理科は小学4年生では多くの子どもが大好きですが、高校3年生までに嫌いと答える子が3倍近くに増えるという結果が出ています。
算数・数学も学年が上がるにつれて嫌いが増える傾向が見られます。
成績と男女差の観点からの分析では、小学4年生から中学3年生まで、理科、算数・数学ともに学力に男女差は見られませんでした。
しかし、理科の好き嫌いは、男子の方が好き、女子の方が嫌いという傾向が小学4年生から高校3年生まで続きました。
算数・数学においても同様の傾向が見られました。
これらの結果から、理数系教科に対する好き嫌いは、文理選択の大きな要因であると考えられ、理系選択を促進するためには、理数系教科への苦手意識を解消することが重要であることが示唆されます。
特に女子生徒においては、理数系教科に対するネガティブなイメージや将来の職業へのつながりを理解できないことが、理系選択をためらう要因になっている可能性があります。
興味深い調査結果ですね。理数系教科への苦手意識が、進路選択に大きく影響するというのは、とても納得できます。もっと子供たちが理数科目を好きになるような工夫が必要ですね。
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PISAとTIMSSで見る日本の学力。高い水準を維持するも、現実との乖離が課題。STEAM教育で、教科横断的な学びを!未来を担う人材育成へ。