ピカソ『青の時代』とは? 作品に隠された真実と苦悩を紐解く(?マーク)青の時代:ピカソの憂鬱と傑作
ピカソ初期の傑作群「青の時代」へ。親友の死をきっかけに生まれた、青色が象徴する絶望、貧困、孤独… 若き日の葛藤と社会への眼差しが、絵画に深く刻まれる。最新科学調査で明らかになる、隠された下絵や制作秘話。初期作品に焦点を当て、ピカソの創造の原点に迫る、知的好奇心を刺激する展覧会。
💡 ピカソの『青の時代』は、1901年から1904年頃に制作された、青を基調とした作品群を指します。
💡 親友カサジェマスの死をきっかけに、ピカソは深い悲しみと絶望を抱き、その感情を作品に表現しました。
💡 科学技術を活用した調査により、作品の下絵や制作過程に関する新たな発見が相次いでいます。
それでは、ピカソの『青の時代』について、詳しく見ていきましょう。
まずは、この記事でご紹介する内容をまとめたものをご覧ください。
青の時代:ピカソの苦悩と才能の開花
ピカソの「青の時代」は何がきっかけで始まったの?
カサジェマスの自殺
ピカソの『青の時代』は、親友の死という悲劇から始まりました。
絶望と孤独、そして、深い苦悩の中で生まれた作品群は、その後のピカソの芸術に大きな影響を与えました。

✅ ピカソの「青の時代」は、親友カサジェマスの死をきっかけに生まれた、青を基調とした暗い色使いの作品の時期です。
✅ カサジェマスは、ピカソとパリで共に絵画モデルを雇い、絵画制作をしていましたが、絵画モデルのジェルメールへの恋心が実らず、1901年2月17日にジェルメールと心中を図り、亡くなりました。
✅ ピカソはカサジェマスの死後、鬱病を患い、罪悪感に苛まれ、カサジェマスの死を悼むような、青を基調とした暗い絵画を制作するようになりました。
さらに読む ⇒画家佐藤功出典/画像元: https://isaosato.net/blue_period/カサジェマスの死が、ピカソの作風にこれほど大きな影響を与えたことに驚きました。
青を基調とした絵画から、ピカソの内面の葛藤が伝わってきます。
パブロ・ピカソの『青の時代』は、1901年から1904年までの約3年間、親友カサジェマスの自殺という悲劇的な出来事をきっかけに生まれた、青色を基調とした陰鬱な作風で知られる時期です。
この時代は、ピカソ自身の苦悩や社会の貧困層への共感、そして人生の哀愁といったテーマを表現しています。
親友カサジェマスの死を悼む作品『カサジェマスの埋葬』や、自画像、青い部屋、人生、 blindmans dinner、老いたギター弾き、二姉妹、海辺の母子像など、数々の傑作がこの時代に生まれています。
青の時代は、後年のキュビズム作品とは異なる、抒情的な色彩とテーマによって、ピカソの初期の才能と心の深淵を垣間見ることができる貴重な時代となっています。
ピカソが抱えた苦悩は想像を絶しますが、それが芸術作品として昇華されていることに感動しました。自分も表現者として、感情を作品に込められるようになりたいです。
複雑な人間関係:愛と死の影
ピカソの「青の時代」に影響を与えたものは?
内面葛藤と複雑な人間関係
ピカソとカサジェマス、そしてモデルのジェルメーヌ。
複雑な人間関係が、ピカソの作品に影を落としていることがよくわかります。
愛と死が、作品にどのような影響を与えたのか、興味深いですね。

✅ 1900年、パリに来たピカソは友人カサジェマスと共にアトリエを借り、絵画制作に没頭しました。カサジェマスはモデルのジェルメーヌに恋心を抱いていましたが、叶わず、ピカソは彼を故郷マラガに連れて行きました。しかし、カサジェマスの心の傷は癒えず、彼はジェルメーヌへの未練から1901年2月、パリに戻り、彼女とその場にいた仲間たちに向けて拳銃を発砲しました。その後、カサジェマスは自殺しました。
✅ ジェルメーヌはカサジェマスの発砲から死んだふりをし、助かりました。彼女はフロロンタンという名前で、既に結婚していたことがわかりました。
✅ カサジェマスの死はピカソに大きな衝撃を与え、後に「青の時代」と呼ばれる陰鬱な青い色彩の作品を生み出すきっかけとなりました。彼はカサジェマスを題材にした作品を多く残しており、友人を失った悲しみと自責の念を表しています。
さらに読む ⇒有名な絵画・画家美術作品の解説出典/画像元: http://www.art-library.com/picasso/casagemas.htmlカサジェマスの死は、ピカソの人生と芸術に大きな転換をもたらしました。
彼の死が、ピカソの作品に暗い色調と深いテーマを与えた可能性について、さらに深く考察する必要があると感じました。
『青の時代』は、ピカソの画業における重要な転換期であり、彼の内面的な葛藤と当時の社会状況、そして複雑な男女関係が織りなす、非常に興味深い時代でした。
ピカソの親友カサジェマスは、画家でありピカソのパリでの共同生活の伴侶でした。
しかし、彼は、ピカソの恋人だったオデットとは別に、絵画モデルのジェルメールと恋愛関係にありました。
この複雑な関係が、『青の時代』の作品に暗い色彩と生と死、貧困者、盲人や物乞い、売春婦といったテーマを投影させた可能性も考えられます。
ピカソを取り巻く人間関係の複雑さが、作品の色調やテーマに影響を与えているというのは、興味深いですね。芸術作品は、単なる美しさだけでなく、人間の内面や社会の状況を反映していると改めて感じました。
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ピカソ「青の時代」へ。初期作品70点と最新技術で紐解く、若き日の葛藤と革新。隠された下絵や制作過程を、貴重な作品を通して体感できる、新たなピカソ展。