放置マンションの悲劇:美和コーポの解体と、費用負担の問題とは?老朽化したマンション問題:解体費用と所有者の責任
老朽化した滋賀県のマンション「美和コーポ」の末路。放置された結果、倒壊の危険性とアスベスト問題で行政代執行による解体へ。1億円を超える費用は所有者に請求も、回収は困難に。管理不全マンションが抱える問題点、費用負担の行方、そして将来への教訓を提示。マンション選びの注意点も明示。
💡 滋賀県野洲市で解体された老朽マンション「美和コーポ」の事例を紹介します。
💡 解体費用約1億1800万円のうち、所有者から回収できたのは一部のみという現状を解説します。
💡 老朽化マンション問題の対策として、管理体制の重要性や今後の課題について考察します。
本日は、滋賀県野洲市で起きた、老朽化したマンションの解体と、それに伴う費用負担の問題について、詳しく見ていきましょう。
放置されたマンション:美和コーポの悲劇
美和コーポはなぜ解体された?
老朽化とアスベスト
本章では、滋賀県野洲市で起きた放置された老朽マンション「美和コーポ」の解体について、詳しく見ていきます。
公開日:2021/09/14

✅ 滋賀県野洲市で放置されていた老朽マンション「美和コーポ」は、危険な状態であったため、市が行政代執行で解体し、更地になった。しかし、解体費用は約1億1800万円に膨れ上がり、所有者9人から回収する必要が生じた。
✅ 所有者の中には、解体費用を支払うことが困難な人もおり、さらに、所在不明の法人所有者がいるため、費用回収が難しい状況である。
✅ 美和コーポの事例は、老朽マンションの放置による問題点が深刻であることを示しており、所有者、自治体、そして国は、老朽マンション対策について早急な対応が必要となっている。
さらに読む ⇒週刊エコノミスト出典/画像元: https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200825/se1/00m/020/024000c美和コーポの事例は、老朽化マンションの放置がもたらす深刻な問題を示しています。
アスベスト問題、近隣への影響、そして高額な解体費用。
これらの問題が複合的に絡み合っています。
1972年に竣工した滋賀県野洲市の3階建てマンション「美和コーポ」は、かつては9戸の家族が暮らしていました。
しかし、長年の放置により、2010年頃から住民が減少し始め、空き家状態が続いていました。
2018年の地震と台風による被害が追い打ちをかけ、建物は深刻な状態に。
さらに、アスベストも発見され、近隣住民の安全を脅かす存在となりました。
そのため、野洲市は行政代執行による解体を決断しました。
今回の美和コーポの事例は、他人事ではないと感じました。建物の老朽化、所有者の不在、アスベストの問題…様々な要素が絡み合い、このような事態に至ることは、非常に考えさせられます。
高額な解体費用:誰が負担するのか?
解体費用は当初予定より増えましたか?
増えました。
本章では、高額な解体費用が誰の負担になるのか、その現状と課題について掘り下げていきます。

✅ 近年、老朽化し空き家となったマンションの管理問題が深刻化しており、行政代執行による解体工事が増加しています。特に、所有者との連絡が取れない場合や、所有者が費用負担を拒否するケースでは、行政が解体費用を負担せざるを得ない状況が生まれています。
✅ 滋賀県野洲市の分譲マンションは、アスベストを含む危険な状態であったため、行政代執行で解体されました。しかし、所有者9名中の一部と連絡が取れず、解体費用約1億1800万円のうち回収できたのは約3900万円のみでした。残りの費用は税金で賄われる可能性があり、空き家問題が地域全体の負担になっていることが明らかになりました。
✅ 空き家対策特別措置法は、放置された空き家による危険や景観悪化を防ぐための法律です。所有者に対して指導・勧告・命令を行い、それでも改善が見られない場合は行政代執行を行うことができます。しかし、所有者不明や連絡不能など、行政代執行が難しいケースも存在し、今後の対策が求められます。
さらに読む ⇒株式会社レクソル出典/画像元: https://rexsol.co.jp/kaitai/4591/解体費用の回収が難航している現状は、非常に深刻です。
税金で賄われる可能性もあるという点も、私たち国民にとって他人事ではありません。
今後の対策が急務です。
行政代執行による解体費用は当初1億1800万円と試算されていましたが、実際には約1億円に膨れ上がりました。
この費用は、所有者9人に請求される予定ですが、連絡が取れない所有者が多く、回収できる見込みは薄いとされています。
市は、区分所有者から回収できなかった分を滋賀県に請求する意向ですが、最終的な費用負担の決着は、今後の注目点です。
空き家問題は、社会全体で取り組むべき課題だと改めて感じました。所有者不明や連絡不能といった問題も、行政だけでなく、地域全体で解決策を探る必要があるのではないでしょうか。
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老朽化マンションの悲劇!管理不全で廃墟化、解体費用未回収。相続問題も深刻化。将来を見据えた管理体制と費用対策が急務!