TIMSS/PISAに見る日本の学力調査の現状と課題は?TIMSS2023の結果から読み解く日本の教育
最新のTIMSS2023調査結果から、日本の小中学生は数学・理科で高い水準を維持!しかし、理科の平均得点低下や、理数への苦手意識を持つ女子生徒の課題も浮き彫りに。授業内容と日常生活の関連性、ICT活用、学習意欲の向上、ジェンダーギャップの解消など、日本の教育が抱える課題と、未来への道筋を読み解きます!
💡 TIMSS2023の結果、日本の小中学生は算数・数学、理科で高い水準を維持。しかし、理科の得点低下や、理数系科目の興味関心の男女差が課題。
💡 STEAM教育の推進や、ICT活用の重要性が増す中、学力と意識のギャップ、教員のICT活用指導力の向上が今後の教育の鍵となる。
💡 文部科学省は、PISA・TIMSSの結果を公表し、読解力向上やICT活用推進など、教育改革に向けた取り組みを進めている。
本日は、国際的な学力調査であるTIMSSとPISAの結果を通して、日本の教育が直面している課題と、今後の展望について掘り下げていきます。
TIMSS2023とPISAに見る日本の学力
TIMSSとPISA、日本の学力調査でどんな役割?
教育の現状把握と、政策検討の基礎データ。
この章では、TIMSS2023とPISAの結果から、日本の学力の現状を詳しく見ていきましょう。
公開日:2025/03/03

✅ 国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)2023の結果が公表され、日本は算数・数学と理科で上位グループを維持。小学校4年生の算数5位、理科6位、中学校2年生の数学4位、理科3位。
✅ 前回調査からCBT(Computer Based Testing)で参加し、CBT移行の影響は小さいと見られる。アンケート調査では、数学・理科への興味関心は男子の方が高い一方、ICT活用への教師の自信は国際平均より低い。
✅ 数学・理科を勉強すると役立つと考える中学生の割合は増加傾向にあるが、「得意だ」と思う小学生・中学生の割合は減少。 経団連は理工系女性の採用意欲が高いものの、女性の理工系専攻者の少なさが課題で、学習意識の違いに着目した授業改善が求められる。
さらに読む ⇒東洋経済×出典/画像元: https://toyokeizai.net/articles/-/845919日本の生徒は算数・数学、理科で高い水準を維持していることは素晴らしいですね。
CBT移行の影響が小さいというのも安心材料です。
しかし、得意意識の減少や、ICT活用への課題も見えてきました。
2024年12月、国際教育到達度評価学会(IEA)は、2023年3月に実施された「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」の結果を公表しました。
TIMSSは、OECDのPISAと並ぶ国際的な学力調査で、算数・数学と理科の学習到達度を評価しています。
TIMSS2023には、世界58ヶ国・地域の小学生と44ヶ国・地域の中学生が参加し、日本からも約3900人が参加しました。
一方、PISA(国際学習到達度調査)は、OECDが実施し、高校1年生を対象に、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーといった、学校で培った能力を現実生活で応用できるかを評価します。
PISAとTIMSSは、どちらも国際的な学力調査であり、日本の教育の現状を把握し、今後の教育政策を検討するための基礎データとなります。
今回の結果から、日本の学力の強みと課題が明確になりましたね。特に、ICT活用への教師の自信が国際平均より低い点は、今後の教育改革で重点的に取り組むべき課題だと感じました。
TIMSS2023の結果と日本の強み・弱み
日本の子供たちの理数離れ?TIMSS2023が示す課題とは?
理科の平均得点低下、男女差、興味関心の低下。
この章では、TIMSS2023の結果をさらに詳しく分析し、日本の強みと弱点を深掘りします。
公開日:2024/12/28

✅ 国立教育政策研究所が発表したTIMSS2023の結果、日本の小学4年生と中学2年生の平均得点は引き続き高い水準を維持した。
✅ 小学4年生の算数は5位、理科は6位で、理科の得点は前回より低下し、特に「知識」領域が低い結果となった。
✅ 公開された問題では、磁石の性質に関する応用力を問う問題が出題され、日本の正答率は67.4%で国際平均を大きく上回った。
さらに読む ⇒受験や進路・進学情報の教育ニュースは「リセマム」出典/画像元: https://resemom.jp/article/2024/12/28/80150.html理科の得点低下や、理数系科目を「得意」と感じる生徒の減少は、少し気になりますね。
女子生徒の理数に対する苦手意識も、見過ごせない課題です。
TIMSS2023の結果では、日本の小中学生は算数・数学、理科において高い水準を維持しています。
具体的には、日本の小学生は算数5位、理科6位、中学生は数学4位、理科3位と、上位グループを維持しました。
しかし、理科の平均得点の低下が見られ、算数・数学、理科を「得意」と感じる生徒の割合も減少しています。
また、理数への興味や関心の男女差が顕著であり、女子生徒の理数に対する苦手意識が課題として浮き彫りになりました。
この結果は、日本企業が理工系女性の採用意欲を高める一方で、理工系専攻の女性が少ないという課題と関連しています。
GIGAスクール構想によるCBT(Computer Based Testing)への対応も、結果に大きな影響を与えなかったと分析されています。
日本の子供たちの高い学力は素晴らしいですが、理科の得点低下や、理数に対する苦手意識の課題は、今後の教育で改善していく必要がありますね。
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中学生で理数科目の実用性認識は向上も、得意意識は低下。ICT活用遅れも課題。探究・STEAM教育で意識改革を!国際学力調査も参考に、未来を担う人材育成を目指そう。